診断士試験が終わったら読みたいおススメの本
2018年11月7日 追記
中小企業診断士二次試験を受験された皆さま、お疲れ様でした。
出来はいかがでしたか?自分の力を発揮できましたか?
ご存知の通り、この試験は解答が公開されないので、
合格発表まで何が起きるかわかりません。
ただ、試験は終わってしまったので、今さら色々考えても仕方ありません。
試験勉強で凝り固まった頭をリセットするために、ここらで読書でもいかがですか?
もし、試験に合格していたとしても、試験勉強で得た知識だけで診断士として活躍することは不可能です。
診断士に限らず、活躍する方は、自分なりの思考の型を持っていることが多いです。
最近、哲学やアートなどのリベラルアーツの重要性が叫ばれていますが、
そのような日常生活や仕事では直接関係ないと思われることが、
自分の思考の型を作りだす素となり、人との差別化の源泉となるのです。
試験知識では他人との差別化を図ることができません。合格者はみんな知ってることですからね。
前置きが長くなってしまいましたが、読書は幅広い分野の知見を、一番簡単に学べる手法だと思います。ぜひ、合格発表までの時間は自分の幅を広げる読書に取り組んで欲しいと思います。
この秋読みたいおススメの本
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」
「『分析』『論理』『理性』に基づいた意思決定ではこれからの時代ビジネスの舵取りをすることはできない」と著者でコンサルタントでもある山口周さんは説きます。
分析や論理などのサイエンス的アプローチから導き出された答えは、みんな同じようなものになってしまう。結果的に差別化が図れず(正解のコモディティ化)、ビジネスを発展させたり問題を解決したりすることができない。
それを乗り越えるために必要なのが「美意識」であるというのが著者の主張です。
モノがあふれている現代。単純な機能のみの提供では消費者の欲求を満たすことはできません。また消費者は「論理」だけで消費活動を行うわけではありません。
そのような時代に差別化の源泉となるのが、経営者やビジネスパーソン各個人の「美意識」であるという主張には説得力があります。
コンサルタントを目指す人だけでなく、これからの時代を生きるビジネスパーソンが意識するべき考え方が記されている本です。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 必要時間 : 3時間
- 読みやすさ : ★★★★★
- 学びの多さ : ★★★★★
マインドセット「やればできる!」の研究
新しいことに積極的にチャレンジしてレベルアップしていく人と、失敗を恐れ一歩が踏み出せない人。
一体、どこが違うのでしょうか?
それは、心の持ち方(マインドセット)の違いであるというのが本書の主張です。
積極的にチャレンジできる人は「人の能力は努力次第で伸ばすことができる」というマインドセット(しなやかマインドセット)を持ち、行動できない人は「人の能力は生まれつき決まっている」というマインドセット(硬直マインドセット)を持っている。
その違いが行動力や学ぶ力の差に表れるとのこと。
「失敗が自分を成長させる」と考えられるかどうかが、後々大きな差になるというのは本当にその通りでしょう。失敗から学べる人はすごいスピードで成長していきます。
逆に失敗を「ダメなもの」と硬直的に考える人は、進歩がありません。
「失敗が怖くチャレンジできない」
「自分には才能やセンスがない」
そのように考えがちな人は「硬直マインドセット」の持ち主です。
ですが安心してください。
この本では「マインドセット」は変えることができると説かれています。
ぜひ一度この本を手に取って自分の心の持ち方を見直してみましょう。
- 必要時間 : 5時間
- 読みやすさ : ★★★☆☆
- 学びの多さ : ★★★★☆
IoTとは何か-技術革新から社会革新へ-
中小企業支援の中でも生産性改善は大きなテーマです。
ただ”IoT”という言葉が独り歩きして、「実際にどのようなことが実現可能なのか?」「何が導入に向けての課題なのか?」という本質的な部分までは、十分に発信されていないように感じます。
この本の著者である坂村健さんは80年代から”IoT”の先駆けてとも言えるプロジェクトを推進してきた方でIoTの第一人者の一人とも言える方です。
参考
本書ではIoTによってどのような社会が実現できるのか、そしてそれを実現するための課題やネックは何なのかという点が、実務者の視点から詳細に書かれています。
特に読むべきは課題やネックの部分。法制やプライバシーの問題がなぜIoT導入を阻むのか?これからどうしていくべきなのか? というところです。素晴らしい技術があっても、それを導入するには大きな壁があることを考えさせられます。
「IoTスゲー!!」じゃなく、広い視点からリアルな問題提起がされています。
ITに詳しくない人に対しても読みやすく書かれているので、ぜひ手に取って欲しい一冊です。
- 必要時間 : 3時間
- 読みやすさ : ★★★★☆
- 学びの多さ : ★★★★★+★
「言葉にできる」は武器になる。
「私は話をするのが苦手」
「うまく自分の考えを言葉にできない」
そのような「話す」ことに苦手意識を持つ人が陥る罠が、「話し方のスキルを磨こう」とすることです。
この本の著者は「話がうまくできない」「言葉が出てこない」のは、自分の心と向き合っておらず、内面から出てくる「内なる言葉」を聞いていないからと言います。
つまり著者は、話が下手な人、言葉が出てこない人は「自分の言いたいことがわかっていない」と言っているのです。
診断士も「話す」スキルが大切と言われます。そこで「話し方のスキル」を学ぼうとする方も多いのですが。。
その前にあなたの本当に伝えたいことはなんでしょうか?
自分の意見は明確ですか?
高額な「話し方上達セミナー」に申し込む前に、この本を読んで、少し考えてみてはどうでしょうか。
- 必要時間 : 4時間
- 読みやすさ : ★★★★★
- 学びの多さ : ★★★★★
文章力の基本~簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック
こちらは書く力を高めてくれる本。
診断士活動を始めると、報告書の作成や執筆業務など「書く」機会は非常に多くなります。
診断士試験を合格した方たちの間でも文章力の差って以外と大きいです(私も偉そうに言えませんが)。文章が下手だと、その人の能力自体が低く見積もられてしまいます。
この本は、「わかりやすい」文章を書くためのポイントが、読みやすくまとめられています。
診断士に限らず「伝わりやすい報告書を書けるようになりたい」、「読み手にわかりやすい文章を書きたい」という方は必読です。
- 必要時間 : 3時間
- 読みやすさ : ★★★★★
- 学びの多さ : ★★★★★
読書の習慣をつけよう
ビジネススキルを知っていれば仕事ができる。
知識と論理的思考力さえあればコンサルはできる。
そう考えていないでしょうか。
もちろん、それらは大切なものですが、現代では個性や人間味の深さも、いい仕事をするための重要な要素となってきています。
では、どうやって個性や人間味、深い知性を身に付けられるのでしょうか?
その一つの方法が読書だと僕は考えています。
本には著者の経験や考え、人間としての生き方などが詰まっています。
これらの貴重なことを数百、数千円で知ることができるのです。
本気で人間として成長したいなら、読書の習慣は必ずつけるべきでしょう。
僕もまだまだですが、読書の習慣は続けて人間として成長していきたいと思っています。
皆さんも是非、ここに紹介した本に限らず、色々な本を手に取って読んでみて下さい。