【社会・経済・自然科学】効率よくエッセンスを勉強できる、おすすめのマンガ勉強本をまとめてみました
最終更新 2018年4月28日
僕は小さいころ活字を読むのがが苦手で、マンガ本で勉強するのが好きでした。
特にマンガでわかる歴史シリーズを読みふけり、そのおかげかセンター試験の世界史では満点を取ることができました(もちろん教科書でも勉強してます)。
マンガで勉強と言うと否定する人も多いのですが、僕は学問の全体像やエッセンスを理解するのにマンガ解説本を利用するのは、とても効率的で有益だと思っています。
特に最近はエッセンスを上手く抽出したマンガ解説本が多数出版されています。
今回はその中で僕がいいと思った本を紹介してみたいと思います。
*真剣に何度も読み返した本から、立ち読みベースのものもあるので解説に濃淡があるのはご容赦下さい。もちろん、おすすめできない本は除外しています。
マーケティング系
100円のコーラを1000円で売る方法
マーケティング戦略の専門家、永井孝尚さんの著書をコミック化したもの。原作も読みやすかったですが、コミック化してさらに読みやすくなっています。「顧客中心主義」とは何か。どうすれば他社と差別化し高収益を実現できるのか。そういったマーケティングのエッセンスがストーリーで分かりやすく描かれています。
著者の本では「戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! 」もおすすめです。*コミックではありません。
マンガでやさしくわかるコトラー
マーケティングと言えばコトラー。コトラーのマーケティング理論のエッセンスが学べる本です。あくまで入門書。
マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 ―Webマーケッター瞳の挑戦! ―
僕は仕事柄webマーケティングに関わることが全くありません。将来、診断士としてのキャリアを考えた上で、webを利用した販売拡大やマーケティングの知識も必要なのではないかと考え、入門として読んでみました。
知識がほぼゼロの僕が読んでも、すんなり読めたので読みやすい本だと思います。
用語の解説も丁寧にされているため初心者でも安心して読めると思います。
ややマンガ少なめ、字多めです。
>>マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 ―Webマーケッター瞳の挑戦! ―
統計学系
マンガでわかる統計学
統計学を学んだことの無い、初学者におすすめの入門書。
昔からある本で僕も大学時代に読んだことがあります。数ある「まんがでわかる」シリーズの中でも内容はしっかりして、入門書としてはレベルは高めですが、これをやれば基礎は理解できるのではないでしょうか。
(ちなみに僕はその後、この本のレベルから進歩してません)
マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説【オススメ】
すごくユルそうな本で、実際中身もユルく進行していくのですが、内容はしっかり。
統計の概念がユルく、しかし非常に分かりやすく解説されています。
本格的な勉強を始める前に読んでみると、その先に進みやすくなるのではないでしょうか。
僕ももう一度読んで、本格的に統計学の勉強を開始したいと思います。
>>マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書)
僕はまだ野球を知らない
野球経験のない物理教師がセイバーメトリクスを活用して弱小校で甲子園を目指すというマンガです。普通の工業高校でトラッキングシステムを完備するというのは、あまりに現実離れしてますが、そこはマンガの世界ということで。。
セイバーメトリクスとは「野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し選手の評価や戦略を考える分析手法」(wikipediaより引用)で、実際のグラウンド上で観察されたデータから、その選手の強み・弱点、試合における貢献度などを分析していこうという手法です。打率や防御率と言ったこれまでの指標とは違う観点で選手を評価するメジャーで発達した分析法で、最近では日本でも取り入れられるようになってきました。
統計学を理解するためのマンガではありませんが、面白いです。まだ一巻しか発売されていませんが今後に期待です。
経済学系
まんがでわかるピケティ「21世紀の資本」
2年ほど前に大きな話題になったフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」をコミック化したもの。
日本語約本は6,000円近くの値段で700ページ以上。話題にはなりましたが一体何人の人がすべて読破し内容を理解できたのでしょうか。
この本は日本語約を担当した山形浩生さんが監修しており、エッセンスが理解しやすくなっています(僕も原書は読んでいません)。興味が湧いた人は原書にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
>>まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)
雇用・利子および貨幣の一般理論 (まんがで読破)
現代マクロ経済学の基礎ともいえるケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」。
1929年の世界恐慌時にそれまでの古典派経済学が無力であったことから、この本の発表後は一気にケインズ経済学が主流派となっていきました。
経済学を学びながら読むと面白いと思います。
>>雇用・利子および貨幣の一般理論 (まんがで読破 MD134)
経営戦略・組織論系
マンガ経営戦略全史 確立篇
ベストセラー「経営戦略全史」をマンガ化した本。
科学的管理法のテイラーから診断士試験でおなじみのアンゾフ、チャンドラー、アンドルース(SWOT分析)等、20世紀に提唱された経営戦略が時系列に解説されていて面白いです。
ただ、内容はやや表面的で具体的な解説や現実での適応事例などは書かれていないので、学べるのはあくまで教養の範囲です。深く理解したいならそれぞれの理論の専門書を読みことをおススメします。
なお本書は20世紀初頭から1995年までを扱っていますが、1995年以降は別巻(マンガ経営戦略全史 革新篇)にまとめられています。
まんがでわかる ドラッカーのマネジメント
みんな大好きドラッカー。もはや日本でしか人気が無いと言われることもありますが、経営者の方はみんな好きですよね。
僕もドラッカー好きです。
プロフェッショナルの条件などは仕事で行き詰った時などに、何度も読み返してしまいます。
マネジメント理論なんかを知ってると、経営者の方と話すときに会話のネタになるかもしれません。
マンガでやさしくわかるブルー・オーシャン戦略
「ブルー・オーシャン戦略」とは激しい競争にさらされた市場(レッド・オーシャン)から脱却し、ライバルがおらず独占的に利益を享受できる市場(ブルー・オーシャン)を創り出し高収益を得るという戦略です。聞いたことがある人も多いと思います。
その戦略がマンガと図解で解説されています。
理論はよくわかりますが、実際にこの戦略を実現するのは大変ですね。
戦略論の入門書としてはいい本だと思います。
まんがでわかる オーナー社長のM&A
Newspicksのプロピッカーもされていた日本M&Aセンターの大山敬義さんの著書です。
中小企業のM&Aを行う上での課題、企業価値の算出、トラブルや契約のクロージングなどを学ぶことができます。
この本は中小企業診断士の勉強として読みました。中小企業のM&Aおよび事業継承がテーマとなっていますが、その観点に理解の浅い僕にとっては、とても参考になる本でした。
財務会計系
まんがで身につくファイナンス【オススメ】
以前中小企業診断士の勉強に役立つ本で紹介した「ざっくり分かるファイナンス」のコミック版です。NPVやWACC、CAPMなどファイナンス未学習者にはわかりずらい概念がわかりやすく解説されています。
中小企業診断士志望者でファイナンスの知識に不安がある方にはおすすめです。
超高速・会計勉強法
これも以前紹介した「財務3表一体理解法」のコミック版と言ってもいい本です。
各財務諸表がどう繋がっているのか。また実際の企業会計としてどのような意味を持つのか。それらを一体的に理解しようというコンセプトの本です。
書かれているのは基礎的な内容ですが、日商簿記3級を取得してもっと会計に理解を深めていきたいという人に最適な本だと思います。
生産管理系
ザ・ゴール【オススメ】
なかなか、工場勤務でもない限り理解しづらい生産管理。中小企業診断士の試験でも生産管理の知識は必須となりますが、現場に携わる人でないといまいちイメージが湧かず理解できないという声も良く聞かれます。
納期遅延、在庫や仕掛品の過多により赤字に陥っている工場を舞台にそれをTOC理論(Theory Of Constrains:制約理論)に基づき改善していく流れがストーリーで語られています。
これで生産管理のすべてがわかる!とはいきませんが、生産現場の「改善」がどのようなことかイメージできるようになるのではないでしょうか。
ちなみに平成27年度の診断士二次試験事例3はこの本のケースと類似しています。読んだことある人はピンと来たのではないでしょうか。
続編(ザ・ゴール2 コミック版)もあるので合わせて読んでみて下さい。
マインドセット系
まんがでわかる 7つの習慣【オススメ】
スティーブン・R・コヴィー博士の名著「7つの習慣」のコミック版です。
僕は個人的に自己啓発本はこの一冊だけ読めばいいと思ってます。他の本に書かれていることは大なり小なりこの本に書かれています。
この本に書かれた「原則」に従い、それを「習慣化」すれば成功に近付けるのではないかと思います。
是非この本だけでなく本書も読んで欲しいです。
マンガでやさしくわかるアドラー心理学
「嫌われる勇気」で一躍話題となったアドラー心理学。僕も読みましたがイマイチ分かったような分からないようなモヤモヤした感じだったのでこの本を読んでみました。
この本もマンガよりも字での解説が多めで、その解説を読まないと理解は進まないかもしれません。
それでもストーリーとあわせて解説が語られるので読みやすいことは確かです。読んで損はしません。
それにしても、このアドラー心理学。どれだけの人がきちんと理解しているのでしょう。僕も未だによくわかってません。
「嫌われる勇気」という言葉だけを実践して「ただの嫌われ者」になってる人がいなければいいのですが。。
まんがでわかる 伝え方が9割
ベストセラー「伝え方が9割」のコミック版。
僕は元々コミュニケーションがうまいタイプではなく、仕事でも意思疎通がうまくいかないことが多々あり、「どうしたら上手く相手に意思を伝えられるんだろう」と悩んでいた時に読みました。
仕事してると本当に「伝え方」って難しいと思うことが多々あります。伝え方一つでイエスがノーにも、ノーがイエスにも変わります。「伝え方じゃなくて理性的に判断すべきだ」という人もいますが、人間相手だとそれは理想論でしかありません。
実践するのは簡単ではないですが、意識するだけでも伝わり方は変わってきます。方法論としては、とても参考になる本でした。
まんがでわかる 地頭力を鍛える
「自分の頭で考える力」=「地頭力」とし、その地頭力をつけるためには「結論から考える」「全体から考える」「単純に考える」ことが重要と説かれています。
読むことで自分の考え方の癖を知ることができます。
ただ、「読んでわかったつもりになる」危険性がある本かもしれません。
これらの考える力を伸ばして「地頭力」をつけるためには、もう少し実践的な本を読んで相当なトレーニングを積む必要があると思います。
言うは易しですが実行するのはとても難しいです。
自分の思考法の間違いに気付きを与えてくれるという意味では良書だと思います。
自然科学系
もやしもん
「菌」が見える農大生・沢木惣右衛門直保の大学生活を描いた物語...って言うと普通のありきたりな漫画のようですが、本当に面白いです!
僕はバイオ関係は全くの門外漢で知識もありませんでしたが、「発酵」について語れるようになるくらいに勉強になります。
目に見えない「菌」キャラクターにデフォルメして目に見えるようにした発想が、もうすでに凄い。この発想のおかげで素人でも理解できる内容になっています。
ストーリーとしても各キャラの個性が立っていて面白いです。
知人から薦められて読みましたが、本当に良かったです。ぜひ読んで欲しい本です。
まとめ:まんが解説本で勉強することについて
冒頭にも書いた通り、まんが解説本を読むことで様々な理論や学説、テクニックの”エッセンス”を効率的に学ぶことができます。
学ぶことの全体像を把握する前に分厚く難解な原著にあたっても、おそらく途中で挫折してしまうでしょう。
まんが化されることで読む労力が少なくなり、短時間でその本のエッセンスを吸収することができるのは大きなメリットです。
学ぶ入口としてまんが解説本を読むことはとても有益だと思います。
反面、これらのまんがだけですべて理解したつもりになるのは間違いでしょう。
書かれているのはあくまでエッセンスです(自己啓発系はそれだけ理解すれば十分かもしれませんが)。理論の詳細な解説や前提条件等は省略されているものも多いです。
大切なのは、これらを読んで興味が出たなら、原著にあたったり、より深い解説をしている本を読んで理解を深めていくことだと思います。全体像を把握しているなら、以前よりもスラスラ読めるはずです。
表面的な理解だけで分かったつもりになってしまうことには注意が必要です。
いい本があれば随時更新していきます。