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サッカーW杯予選で起きた「悲劇」とその教訓

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サッカー日本代表がロシアワールドカップ出場を決めましたね。

最近サッカーを見る事が少なくなっていたのですが、突破を決めた豪州戦は久々にテレビ観戦し、ハラハラする気持ちで応援してました。

僕は昔から世界のサッカーが好きで、小学生の頃からW杯予選は、日本代表が関係しない試合でも、録画してまでして見ていました。

W杯は4年に一度しかなく、予選の最終盤は死にもの狂いでの戦いになります。当事者として見るのはしんどいですが、第3者の立場で見るとこれほど面白いエンターテイメントはありません。

今回はそんなW杯予選の中で起きた悲劇的な結末を紹介し、それから得られる教訓を考えてみたいと思います。

W杯予選で起きた悲劇

ドーハの悲劇

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日本サッカーにとっての分水嶺だったとも言える出来事。僕は小学生でしたが試合終了後はテレビの前から動けず、次の日の学校でも、みんな沈鬱な表情だったのを今でも覚えています。

 

1993年10月28日。日本代表はカタール・ドーハにてアメリカワールドカップアジア予選最終戦となるイラク戦に臨みました。

前節で韓国に勝ち首位に立った日本。勝てば文句なしに初のW杯が決まる試合。

その試合、日本は終盤まで2-1でリードします。

そしてアメリカが目前に迫ったロスタイム。

敵陣深くでボールをカットされそのままイラクにカウンターに持ち込まれます。際どいクロスはキーパーが弾くもののコーナーキックへ。

そのコーナーキックイラクは意表を突いてショートコーナーでボールをつないできます。一瞬日本DFの対応が遅れクロスが上がる。

そのクロスを中央のオムラン・サルマンがヘッドで合わせボールは無情にも、ゴール左隅へ吸い込まれてしまいます。

その直後に試合終了。

2位のサウジアラビアと3位の韓国がともに勝ったため日本は得失点差で3位に転落し初のW杯出場を土壇場で逃してしまいました。

 

動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=KMy-iN7uWKw

 

 最後のスタジオの光景があまりにも沈鬱で今でも見ていられません。

それくらいサッカーファンのみならず、日本全土が悲嘆にくれた出来事でした。

パリの悲劇

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 同じくアメリカW杯予選でおきた悲劇。

当時のフランス代表はパパン、ジノラ、カントナらを擁するスター軍団で非常に期待の高いチームでした。

予選では初戦で敗れるものの順調に勝ち点を積み重ね、ホームで格下相手(イスラエルブルガリア)の2戦を残し、あと勝ち点1でW杯出場という所まできており予選突破は確実視されていました。

しかし、イスラエル戦。終盤までリードするもロスタイムに逆転を許しまさかの敗戦。

そして運命のブルガリア戦を迎えることになります。

 

試合は終盤まで1-1の同点。このままいけばフランスのW杯出場が決まります。

しかしロスタイム直前。右サイドでジノラが安易なクロスを上げてしまいブルガリアにボールを奪われます。

そこからのカウンター。

前線へのスルーパスに見事なトラップを見せたコスタディノフが抜け出し、そのままニアサイドに豪快に突きさします。

崩れ落ちるフランスの選手。その直後試合終了となり、逆転でブルガリアがW杯出場を手にすることになりました。

 

動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=4-BQe32PDZ8&t=127s

 

これはホームの大観衆の前で起きた悲劇で、ファンへの衝撃はドーハの悲劇以上だったかもしれません。

なお、土壇場で逆転出場を決めたブルガリアは本大会でも快進撃を続け、ベスト4まで進出することになります。

 

メルボルンの悲劇

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98年フランスW杯予選でオーストラリアに起きた悲劇。

当時オーストラリアはオセアニア連盟に加入していましたが、オセアニアは単独で出場枠が与えられておらず、アジア4位とホーム&アウェイのプレーオフを行い、勝ち抜かないと本戦出場ができませんでした。

プレーオフの対戦相手はジョホールバルで日本に敗れたイラン。

テヘランでの初戦を1-1で引き分けたオーストラリアは、勝ちもしくはスコアレスドローであれば本戦出場が決まる試合にホーム・メルボルンで臨みます。

試合は後半30分までに2-0でオーストラリアがリード。このまま守り切ればW杯出場が決まります。この時点ではホームの8万人の大声援に後押しされたオーストラリアの本戦出場は決まったかに思われました。

 

しかし、後半31分に1点を返されるとその4分後にも失点し、まさかの同点に。

このままではアウェーゴールの差で敗退が決まる状況まで追い込まれてしまいます。

その後、必死の反撃を試みるも及ばず。イランの3倍のシュートを浴びせかけるも1点が遠くホームで悲劇的な敗戦を喫することになってしまいました。

 

動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=F6RRSsdklDs

 

リヤドの悲劇

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2010年南アフリカW杯アジア予選。

 この試合はサウジアラビア・リヤドで行われたA組3位のバーレーンとB組3位のサウジアラビアプレーオフ第2戦です。

この勝者がオセアニアとの大陸間プレーオフに臨むことができます。

バーレーンで行われた初戦は0-0での引き分け。サウジアラビアとしては勝たなければいけない試合となりました。

 

試合は前半を1-1で終え、後半は勝たなくてはいけないサウジアラビアが攻め続けますがなかなかゴールを割れません。

試合は後半ロスタイムへ。

そのまま終了かと思われたロスタイム。奇跡が起こります。

右からの折り返しをアル・モンタシェリが頭で決め、サウジアラビアが勝ち越します。

場内は大歓声。勝ったかのような盛り上がりです。

しかし、その2分後。

ロスタイム目安の3分が過ぎようとしていた時にバーレーンがコーナキックを得ます。おそらくラストワンプレー。ここを守り切ればサウジの勝ち。

左からのコーナキックに中央の選手がドンピシャであわせたボールは、無情にもゴール右隅へ。

土壇場でバーレーンが同点に追いつきプレーオフ勝ち抜けを決めました。勝ちを確信していた場内のサポーターは茫然自失。サウジにとっては悲劇的な結末になりました。

*しかし、結局バーレーンニュージーランドとの大陸間プレーオフに敗れW杯出場はなりませんでした。

 

動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=CTczu4YLdF0

 

なおこの試合の最後の場面、見たことあると思った人もいるでしょう。

実はこの試合「バーレーンの実況が日本語に聞こえる」として話題になった試合なのです。(この動画はサウジ側の実況です)

実況が異常なまでに熱くなった理由も試合内容を知れば理解できるでしょう。

 

悲劇から得る教訓

この悲劇に共通するのが、試合運びのまずさと詰めの甘さです。

有利な状況にありながら時間を有効に使わず、相手にボールを渡してしまってからのカウンターでの失点(フランス、サウジ、日本)。

2点リードなのに攻めにいって点を奪われたオーストラリア。

油断したわけではないのでしょうが、各国とも詰めが甘く、手にする直前だった出場権を逃してしまっています。

気分の高揚を抑え冷静に対処していれば各国とも勝てたのではないでしょうか。

 

一応このブログ、勉強ブログと名を打ってるので無理矢理勉強や試験に絡めると、「模試や直前の答練での好成績は本番では必ずしもあてにならない」こと、「試験に対する戦略(時間配分・解答順序)を事前に構築しておく必要性と冷静に実行する能力が必要」ということが教訓として得られるのではないでしょうか(ちょっと強引かな?)。

 

とにかく本番では何があるかわかりません。事前の準備と心づもりをしっかりと持って試験には望まなくては悲劇が自分に降りかかってくるかもしれません。

その後は各国とも見事に躍進!

ちなみに今回の4ケース。悲劇に見舞われた4か国はその後、その経験を生かし躍進を遂げています。

日本はドーハの悲劇から4年後、ジョホールバルにてフランスW杯の出場を勝ち取り、その後は6大会連続で出場を続けています。

フランスはパリの悲劇から4年後、この悲劇を経験した選手が主力となり地元開催のW杯で見事初優勝を遂げています。

オーストラリアは8年後のドイツW杯で日本を破り、決勝トーナメントに進出。

サウジアラビアも今回のW杯予選を突破しロシアW杯への出場を決めました。

 

失敗を糧に頑張る

このように失敗がその後の成功を導くことは多々あります。

失敗を無駄にしないためには、その原因を分析し正しい対策を打たなくてはいけません。逆にそれができれば、失敗の経験は非常に自分にとって有益なものになるはずです。

日本にとってドーハの悲劇はJリーグ開幕の浮かれたムードや日本サッカー楽観論を吹き飛ばす結果となり、それが今日までの発展を導いたと言っても過言ではありません。もしあそこで勝っていたら、もしかしたらここまで日本のサッカーが発展することは無かったかもしれません。

それだけ「失敗すること」は重要なのです。

 

テストや資格試験、受験で失敗してしまうこともあるでしょう。

でも、きちんと振り返ればそれは無駄にはならないはずです。

失敗してもめげず、前を向いて頑張りましょう。

 

なにか最後は説教じみた感じになってしまいましたが、個人的にはサッカーW杯は地区予選の最終盤が一番面白いと思います。

もし中継が見られるなら、ぜひ一度見てみてください。面白いですよ!