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中小企業診断士の勉強法とその他諸々

勉強効率を上げるために、100点満点を目指すのはやめよう。

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資格試験や受験などの目標に向かって勉強するとき、やってはいけないことが「100点満点」を目指すことです。特に社会人の方は絶対にやってはいけません。

社会人は勉強の時間確保が困難⇒効率を上げることが必要。

社会人は学生と比較すると、どうしても勉強時間が限られてしまいます。なので勉強もより効率的に行わなければなりません。もちろん学生の方も効率的に勉強するに越したことはありません。100点を目指そうとすると多大な労力が必要となり、効率が悪くなります。

ゴルフの例

ゴルフを例に考えてみましょう。スコアを20縮める場合、150から130に縮めるのと100から80の場合だとどちらがより労力がかかるでしょうか。答えはもちろん100から80に縮める場合です。

150から130に縮めるのは基本的なスイングや動作を覚えれば決して難しいものではありません。初心者でも少しがんばって練習したら130くらいではプレーできるようになるでしょう。

しかし100から80にするのにはライに応じた打ち方やコースマネジメントなど応用的な技能を習得していかなくてはいけません。アマチュアゴルファーで80台で回れるようになる人はほんの一握りしかいません。

このように得点が高くなればなるほど、得点を良くするのに多大な労力が必要になってきます。その割にお金と時間をかけて80を切るようなスコアを出しても自己満足以外の効用は少ないです。スコアが100程度なら「ゴルフができる」と言っても問題ないと思うので接待や趣味でゴルフをする程度の人は100で回れれば十分なのです。

中小企業診断士の合格基準

ここで中小企業診断士の合格基準(1次試験)を再度見てみましょう。

(1) 第1次試験の合格基準は、総点数の 60% 以上であって、かつ 1科目でも満点の 40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

(2) 科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

出典: J-SMECA 中小企業診断協会

 このように基本的には6割正答できれば合格なのです。満点どころか60点でいいのです。満点を目指す必要性など何もありません。

100点をめざすときりがない

特に中小企業診断士試験の場合、試験科目、範囲が広範囲に渡ります。100点を目指していたらいくら勉強時間があっても足りません。

最小限の労力で合格するための戦略を持って勉強を始めないといけません。

そのためには、どのような論点がよく出題されているのか、どの論点は勉強しても無駄なのかということを明確にしておくことも有効です。

例えば運営管理では「IE」や「生産計画と生産統制」の論点はほぼ毎年のように出題されていますが、「資材管理」「店舗設計」などはあまり出題が多くありません。また、生産技術の加工設備や廃棄物等に関する法律関係も覚えていたらキリがないので、主なものだけ覚えるか、思い切って棄ててしまってもいいでしょう。

参考書などには過去5年程度の出題傾向が載っていたりしますので、それをみて頻出論点を中心に勉強しましょう。

試験勉強が大切なのではない。

もし試験で高得点を取ること自体が目的なら満点を目指してもいいのです。しかし本来の目的は試験に「合格」して資格を取得する、あるいは資格が必要な職業に就くことのはずです。

試験は所詮試験でしかありません。資格を活かしてキャリアアップしたり、目的とする職業に就くことが目的なのであれば、一刻も早く試験に合格して実務で経験を積んでいくことが、試験で100点を取ることよりも大切なことです。

試験なんか合格基準ギリギリでさっさと合格してしまって、残りは実務で学べばいいのです。すべてのことを暗記する必要性などどこにもありません。実務で必要になったらまた調べればいいのです。

Done is better than perfect

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この言葉はfacebook社の社是とされている言葉です。「完璧を求めるよりも(早く)終わらせる」という意味になります。

ITの発達で、サービスや流行の新陳代謝のスピードが加速度的に上がっている今の時代で完璧なんか目指してたらリリースする前に時代が先に行ってしまう。だから早くリリースして運用しながら改善していけばいいという考え方です。リーン・スタートアップの考え方ですね。

www.sophia-it.com

今回は勉強について書いてきましたが、仕事も同じです。必要性の低い仕事にまで完璧さを求めることは非効率です。特にマネジメント的立場にある方がすべてに対して完璧主義になると組織が疲弊してしまいます。完璧さを求めるのは本当にコアな部分に対してのみに留めるべきです。

まとめ

このように100点満点を目指すことにメリットはありません。時間だけが無駄に浪費されてしまいます。「目的地に最短でいけるルートはどれか」ということをまず考えなくてはいけません。

限られた時間を有効に使うことはとても大切です。時間ばかりかけて成果が出ないという日本企業が陥りがちな罠に落ちないように戦略を立てて勉強しましょう。