【中小企業診断士】合格までの勉強法、参考書籍・サイトを紹介する~企業経営理論編~
3回目は企業経営理論について書きたいと思います。
この科目も財務会計と並ぶ最重要科目です。
二次試験にもがっつり絡む科目なので、時間をかけて取り組む必要があります。
理論や知識を覚えたら点がとれる科目ではない(特に戦略論)ので、きっちりと内容を時間をかけて理解し、「使える」ようにならなければなりません。
それでは勉強法などをまとめていきます。
企業経営理論
勉強法(ポイント)
まずは学習のポイントをまとめてみます。
この科目は一次試験の中で一番「過去問」が重要な科目だと思います。
まずはこの問題を解いてみて下さい。
平成29年度 企業経営理論
第一問
多角化した企業ドメインと事業ポートフォリオの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 多角化した企業の経営者にとって、事業ドメインの決定は、企業の性格を決めてアイデンティティを確立するという問題である。
イ 多角化した企業の経営者にとって、事業ドメインの決定は、現在の活動製品分野との関連性を示し、将来の企業のあるべき姿や方向性を明示した展開領域を示す。
ウ 多角化した事業間の関連性を考える経営者にとって、企業ドメインの決定は、多角化の広がりの程度と個別事業の競争力とを決める問題である。
エ 多角化した事業間の関連性を考える経営者にとって、事業ドメインの決定は、全社戦略の策定と企業アイデンティティの確立のための指針として、外部の多様な利害関係者との間のさまざまな相互作用を規定する。
オ 多角化を一層進めようとする経営者は、事業間の関連性パターンが集約型の場合、範囲の経済を重視した資源の有効利用を考える。
できましたか?答えは(オ)です。
上のポイントに書いた問題の「クセ」というものが分かって頂けたのではないでしょうか。とにかくこの科目「日本語が難解」なのです。
この問題はまだマシな方で、本当に何を言いたいのかわからない選択肢が出てくることもしばしば。
ただし、難解な日本語といっても過去問をやっているとパターンがわかってきます。
この問題は「企業ドメイン」と「事業ドメイン」の違いを答えさせる頻出パターンで、過去問をやっていれば「あっ、この問題はドメインの違いがポイントだな」とピンときます。
逆に参考書で「ドメイン」について勉強しただけでは解けない、もしくは解答にかなり時間がかかってしまうのではないでしょうか。
似たようなパターンで出題されていることが多いので、難解な表現に慣れるためにも過去問を解くことが重要です。
また勉強の優先順位は①経営戦略論、②マーケティング、③組織論の順に行うのがいいでしょう。
理由は経営戦略論は一次試験はもちろん、二次試験の事例すべてに絡む最重要論点です。表面的な暗記ではとても太刀打ちできないので、ここは時間をかけてしっかり取り組むべきです。
マーケティングは一次試験では比較的得点しやすい分野になります。しっかり理論を覚えていれば得点が取りやすいので優先して勉強したいです。二次試験にも関連してきます。
組織論も二次試験にも絡む分野ではあるのですが、勉強の得点効率が低いと感じています。特に労働関連法規は毎年4~5問程度出題されますが、そのうち2~3問は余程細かい部分まで暗記していないと解けない問題です。時間がなければ労働関連法規は捨ててしまってもいいでしょう。
また、テキストだけでなく書籍や新聞を読むことも重要です。
学習スケジュール
・1月~3月
テキストを通読しながら過去問を解く。戦略論、マーケティング関連の本を読む。
・4月~5月
過去問を繰り返すなど問題演習中心に勉強。余裕があれば二次の事例問題をやってみる。
・6月~7月
モチベーション理論等暗記分野の勉強を強化。
・7月~直前期
主要理論を再確認。余裕があれば労働関連法規を暗記する。
勉強すべきポイント
勉強すべきポイントは以下の通りです。
経営戦略論
・すべて。スピテキに載っている論点はしっかり理解しましょう。
組織論
・組織構造論
・モチベーション理論
・リーダーシップ論
人的資源管理は深入りしすぎない(特に労働関連法規)。
マーケティング
・ブランド
・4P
・消費者購買行動
・近年のマーケティング関連の動き(ソーシャル関連等)は押さえておく
参考書籍
参考書籍は以下のページにまとめてあるので参照してください。
参考webサイト
経営戦略、組織論、マーケティングについて説明してくれているwebサイトは無限にあります。
「マーケティング」とありますが、経営戦略論についても書かれています。リンクに挙げたPPMのようなフレームワークの解説も丁寧でわかりやすいです。その他にも勉強になる記事が多いので、ぜひ読んでみて欲しいです。
経営戦略論、組織論を中心に基礎的な用語の解説が書かれています。若干読みづらいですが、網羅性は素晴らしいです。参考文献も紹介されていて参考になります。
BIZREACHの運営メディア「BizHint」。
モチベーション理論が体系的にまとめられています。実際の人事戦略にあてはめた場合の解説が素晴らしいです。二次試験の勉強にも参考になります。
まとめ
最初にも書きましたが企業経営理論は財務会計と並んで(もしくはそれ以上の)最重要科目の一つです。
単純な暗記ではなく、内容をしっかりと時間をかけて理解する必要があります。
特に経営戦略論は二次試験のベースとなる知識です。苦手だからと言って避けては通れません。
一次試験はとにかく過去問です。過去問をこなして独特のクセに慣れる必要があります。
またテキスト等の勉強だけでなく、読書をしたり、ニュースや新聞、ブログなどでリアルな情報に触れ続けることも大切です。
僕の一次試験の点数は63点でした。70点目標でしたが、今年は科目合格率が9.0%と非常に低い中で合格点を獲得できたので十分です。
この科目で合格点を取ることは二次試験にも繋がってきます。
注力して勉強しましょう。