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【中小企業診断士】H29年度二次試験の再現答案を書き残しておく(事例Ⅲ)

 

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今回は事例Ⅲの再現答案を書いていきます。

事例Ⅲは一番苦戦しました。正直、「足切りになるかも」と思った程です。

再現答案も再現性が怪しいです。

今回は本当に「参照」程度に見てもらえればと思います。

 

第一問

再現答案

課題は、機械加工班と製缶板金班の連携を強化し、部品加工や組み立てを同期的に行うことができる体制の構築である。具体策は機械の操作方法や加工方法をマニュアル化する。マニュアルにより作業者教育を行い作業者の多能工化を図る。それにより製造班間の連携を強化して全社同期的な生産体制を実現する。(140文字)

 当日の解答プロセス

「CNC木工加工機の生産販売を進めるために検討すべき生産管理上の課題と対応策」が問われている。

第二問も同じようなことが問われてるが、こちらは「生産管理」という広い枠組みで問われているので、第二問よりはマクロな視点で解答すべきだろうと判断。

課題に関しては、それまで連携することが無かった2部門(班)の連携強化と全社一元的な生産体制の構築ではないか。

でも対応策は何だ?

多能工化は第二問の方が使いやすいが。。うーん。。

さんざん悩んだが思いつかないのでマニュアル化、多能工化で記述。まったく自信なし。

第二問

再現答案

課題は既存受注品に係る打ち合わせや設計業務を削減し、生産性向上を図ることである。対応策は①繰り返し発注される部品に関してCADを利用して標準仕様化を図り、受注毎の打ち合わせや設計業務を削減する、②作業者教育により多能工化を図り柔軟な生産体制を構築する。(116文字)

当日の解答プロセス

第一問と何が違うのかが一見わからない。設問分を見ると「現在の生産業務を整備」とあるので、第一問よりはミクロな視点が問われているのかなと判断。

与件文に「受注後の加工内容などの具体的な打ち合わせは、各機械を担当する作業者が顧客と直接行っている」とあり、ここが「生産業務」の中で削減できるポイントかなと考えました。

「受注品の多くは繰り返し発注される部品」なのに「打ち合わせ」を行わなくてはいけないのは無駄ではないでしょうか。

その無駄を無くすために、既存品を標準仕様化し打ち合わせや設計業務を削減⇒能力強化⇒余力向上を図るという方向性で解答を組み立てました。

最後に多能工化も盛り込みたかったので無理やり入れていますが、課題との整合性がありませんね。。。

 

第一問と第二問を再考

第一問と第二問は要求の違いがわかりずらく、根拠をどちらに使えばいいか悩んだ方も多かったのではないでしょうか。

マニュアル化、多能工化をしなくてはいけないという方向性はすぐにわかるのですが、それをどう利用するかが悩ましい。

受験校の模範解答を見ると第一問が「IT利用で全社での生産統制を可能とする」、第二問が「マニュアル化、標準化、多能工化で能力強化⇒余力確保」という方向性の解答が多く、確かに納得感があります。この方向性で書くのが、一番筋が通っているように感じます。

ただ、現場でこのように根拠をうまく切り分けるのは至難の業ですね。

第三問

再現答案

ホームページの活用法は、加工機による実演を動画で掲載し、加工精度や操作性、メンテナンスの容易性等の説明も加え、精密加工の詳細を潜在顧客に訴求する。社内対応策は、①問い合わせや見積依頼等に迅速に対応できる体制構築、②顧客に対して営業活動が可能となる体制構築、③問合せ内容の集約化、共有化を図ること。(150文字)

  当日の解答プロセス

事例Ⅲは生産に関する事例のはずなのに、事例Ⅱのようなマーケティングに近い問題。ホームページへの動画掲載と、問い合わせをしてきた顧客に対してのアプローチ体制構築がすぐに思いついたが、生産管理の内容を絡めなくてもいいのか迷う。

設計や打ち合わせ業務を削減して、人員を営業に回すということも考えたが第二問で解答済みのため、ここでは言及しないこととした。

素直に「ホームぺージ活用法」は「動画掲載で性能や商品特性をアピール」、社内対応策は「ホームページからの問い合わせに対応できる体制構築」の方向性で解答をまとめることにした。

第四問

再現答案

マスカスタマイゼーションを検討する。基本性能を標準化した上で、自社設備の状況も勘案したカスタマイズをメニュー化することで幅広い顧客からの要望に応えられるようにする。これにより設備投資や人員増をすることなく製品の高付加価値化が図れ、収益性、売上の向上が見込める。(140文字)

 当日の解答プロセス

 時間もなく何を書いていいのかさっぱり思いつかない。

「今後改良や新機種の開発を進めていく予定である」という文言が与件文内にあるが、これをそのまま進めていくと設備投資や人員増が避けられないのではないかという考えが浮かぶ(高度な性能要求や品種増になると思ったから)。

うーん、何すりゃいいんだ?

わかった、「マスカスタマイゼーションだ!」

最初からできる範囲を絞った上で顧客の幅広い要望に応えれば、投資をしなくても顧客の価値を向上させることができ、事業を発展させることができる!

サービス?もう考える時間がない。

再考して

はい。見事にやってはいけないことをしてしまいました。

完全に設問要求無視して独りよがりなポエムを書いてしまいました。

結果的にどう採点されたかわかりませんが、このような解答はやってはダメですね。

受験校の解答では「製品」についての方策は「顧客からの質問を開発に活かして汎用性のある製品を開発する」、「サービス」についての方策は「プログラム提供サービスやアフターフォローを行う」という方向性で纏められており、僕もこの方向性でまとめるのが間違いないかなと思います。

総評

冒頭にも書きましたが、今回一番苦戦したのがこの事例Ⅲです。

形式も今までと違い、事例Ⅱのようなマーケティング要素の強い設問で、どのような解答をするか悩み、時間も足りませんでした。

 

ただ、受験校の解答をみながら、もう一度取り組んでみると、必ずしも難しい問題ではないと感じました。冷静に考えればきちんと答えは出せる問題です。

 

ここがこの試験の難しいところで、ちょっと問題の形式や問い方を変えるだけで、途端に難易度が上がってしまうのです。

診断士の二次試験は過去問を中心に勉強する人が多いと思うのですが、過去問のパターンに慣れすぎてしまうと、形式を変えられた際にパニックに陥る危険性があります。

やはり、与件・設問に毎回素直に当たって、パターン思考ではなく臨機応変に対応できる力が無いと安定した得点を取るのは難しい試験だなと感じます。

 

そういう意味では、この事例Ⅲは全体的に出来が悪かったのかもしれませんね。だから僕は救われたのかもしれません。

来年以降受験される方は、この再現答案は反面教師にして欲しいと思います。

 

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hardstudyman.hatenablog.com

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