【中小企業診断士】合格までの勉強法、参考書籍・サイトを紹介する~経営法務編~
シリーズ6回目は経営法務について書きたいと思います。
この科目の科目合格率は平成28年度が6.3%、平成29年度は4点サービスがあったにも関わらず8.4%と近年は難易度が非常に高くなっています。
問題数が平成27年度は25問、28年度は20問、29年度はまた25問に戻るなど試験形式も迷走感があります。
ただ、形式がどうあれ、科目の特徴としては完全な暗記科目です。覚えなきゃどうにもなりません。
細かい部分をすべて暗記しようとすると永遠に勉強が終わらないので、ある程度割り切って不要な部分を捨てることも必要でしょう。
それでは詳細を見ていきます。
経営法務
勉強法(ポイント)
学習する上での主なポイントは以下の通りです。
詳細については以下の項目で説明しますが、出題の大半は「会社法」「知的財産権」「民法」からです。
特に最近は「知的財産権」からの出題が半数ほどを占めているので、ここを中心に勉強するべきでしょう。
また最近の出題傾向として、単純な法律知識を問うだけでなく、社長との面談ケースでの出題も多いです。実際に各法律がどのような場面で適用されるのかを理解しておきたいです。
基本的には暗記していないと考えても解答できません。余計なことは考えず割り切って暗記しましょう。
学習スケジュール
・1~3月
全分野をざっと流し読み(時間がなければ他科目優先)
・4~6月
重要論点の暗記開始
・7月~直前期
細かい数値の暗記、細かい論点の概要理解
もちろん、余裕があるなら、早い段階で細かい数値も暗記すべきですが、どうせ忘れます。
勉強初期(1月~4月)頃までは他の科目を優先的に勉強した方がいいでしょう。
集中的に勉強すべき論点
・会社法
重要論点その1「会社法」。
とにかく数値が細かい。取締役や監査役の任期や選出方法、会社種別ごとの必須機関等は暗記するしかありません。
重要論点その2「知的財産法」。最重要論点です。
「特許法」「実用新案法」「意匠法」「商標法」「著作権法」「不正競争防止法」はじっくり時間をかけて勉強すべきです。法律を暗記するだけでなく、ケース問題にも取り組みたい分野です。
勉強時間が取れない人は、この分野を力を入れて勉強しましょう。
・民法
重要論点その3「民法」。
最近は民法からの出題も増えています。特に事業承継に絡む内容からの出題が多くなっています。
社会的な流れからも事業承継の問題は今後も増加が予想されるため、相続や遺留分特例(経営承継法)は重点的に勉強した方がいいでしょう。
なお民法は平成29年度に大幅に改正されましたが、施行は平成32年度のため、まだ出題はされないと思われます。
参考書籍
・中小企業診断士 最速合格のための スピードテキスト (6) 経営法務 2018年度
基本的にはスピテキで十分だと思っています。これ以上やるのは大変です。スピテキをしっかり暗記するのに集中するのが一番の合格への近道だと思います。
読み物として面白いのはこちら。
佐野研二郎氏の五輪エンブレム問題などの実際のケースから知的財産権の解説をした本です。各法律の細かい内容よりも、大まかな概念に基づいて解説されています。著者の知財へのこだわりが随所に散りばめられていて、楽しみながら読めます。
余裕のある人は読んでみてはいかがでしょう。
参考webサイト
今回は特にこれといった参考webサイトはありません。
ただ、大抵の法律や法律用語はどこかの弁護士法人や司法書士法人のサイトで解説されています。わからないことはGoogle先生を活用して調べてみましょう。
まとめ:時間をかけたくないが、やっかいな科目
基本的には2次試験にも関係もないので、あまり勉強時間をかけたく無い科目ではありますが、合格点を取るためにはかなりの量の暗記を求められます。
最初に言った通り、すべての分野を完璧に暗記するのは不可能なので、「会社法」「知的財産法」「民法」(特に相続関連)に絞って勉強するのがいいでしょう。
難易度が安定しないため、複数年での合格を目指す方は後に残さない方がいい科目でしょう(経営情報システムも同様)。
僕もこの科目は「守りの科目」と位置づけ、50点で御の字と考えていました。
結果は4点サービスもあり60点。結果的には合格点を獲得できました。
繰り返しますが、この科目はやってもやってもきりがありません。ここに時間をかけて財務会計や企業経営理論がおろそかになるのは本末転倒なので、場合によっては「最悪足切りにならなきゃいい」ぐらいに開き直ることも必要でしょう。