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中小企業診断士の勉強法とその他諸々

【中小企業診断士】合格までの勉強法、参考書籍・サイトを紹介する~運営管理編~

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シリーズ4回目は「運営管理」についてです。

運営管理は大きく「生産管理」と「店舗・販売管理」の2分野から成ります。

メーカーや小売業以外の業態の方には通常業務での馴染みが薄いので、苦手にしている人も多い科目ですね。

それでは勉強法などをまとめていきます。

 

 

 

運営管理

勉強法(ポイント)

学習する上での主なポイントは以下の通りです。

学習のポイント
  • 生産管理を重点的に勉強する
  • 基本的には暗記
  • 計算問題への対応は必須
  • 店舗管理はポイントを絞って深く勉強

 中小企業診断士協会のHPによると平成29年度の運営管理の科目合格率はなんと3.1%

他の科目はすべて合格者が4桁なのに対し運営管理は3桁の410人

これを見る限り、平成29年度の運営管理はかなり難易度が高かったと言えますね。なお昨年度も難化していたのでこれで2年連続の難化となります。

 

受験校の分析によると、難易度が高くなった理由は①計算問題の増加、②店舗販売管理の難化と言われています。

計算問題は43問中10問。単純な計算問題だけでなく、表を読み取って計算方法を考えなくてはいけない問題もあり、難易度は高いです。テキストにでてくる各種公式の暗記はもちろん、計算練習も今後は必須でしょう。

また、店舗販売管理は昔は「稼ぎどころ」だったのですが、ここ数年はテキストにも載っていない内容や、かなり深い知識を要求される問題も増えており、テキストの暗記だけで点が稼げなくなってきています。

二次にも関わるので「生産管理重視」という方向性で勉強すべきですが、店舗販売管理も難化しているので、手を広げすぎないよう範囲を絞って深い部分まで暗記をするのがいいでしょう(狭く深く)。

 

意識して欲しいのは「イメージを大切にする」ことです。

「生産管理」も「店舗販売管理」も仕事で関わらない人にはイメージがしづらいです。

なので実際の工場の製造ラインを動画で探したり、店舗に関してはお店に足を運んで観察してみるなど、テキストで学んだことを具体的にイメージできるようにすることが大切です。

生産管理の手法(QC7つ道具、IEなど)は工場現場だけでなく様々な用途に応用できます。ホワイトカラーの人でも応用できる場合は多いので、実際に活用してみると、理解が進むと思います。

 

学習スケジュール

・1~3月

生産管理を中心に一通り内容をさらう。過去問で傾向確認。

・4~5月

問題演習を中心に行う(スピ問、過去問)

・6~7月

店舗販売管理の細かい知識を暗記、計算問題演習

・直前期

暗記内容の確認。

 

計算問題の演習は早めにとりかかり、慣れるようにしましょう。

過去問は過去2年分(H28、H29)を特に重視して取り組みましょう。

 

勉強すべきポイント

生産管理 

・生産のプランニング

 ⇒工場レイアウト、生産方式、VE、生産計画と生産統制、在庫管理

・生産のオペレーション

 ⇒IE、品質管理、設備管理

 

赤字は最重要ポイント。二次試験にも関わります。

IEに関しては記号の意味まで覚えていないと解答できない問題が最近出題される傾向があります。IEは完全にテキストを暗記してしまうくらい集中して取り組みましょう。

捨てていいのは細かい加工技術の部分くらい。それ以外はきっちり覚えることが必要です。もちろん計算問題対策も重要。

店舗・販売管理

マーチャンダイジング・商品予算計画

・物流戦略

・販売流通情報システム(POS、GTIN等)

まちづくり3法も毎年出題されますが、基礎的なことだけ覚えていれば十分です。店舗施設も同様。深入りするときりがありません。

注力するのはマーチャンダイジングと物流。この部分が試験の核になります。

値入率やGMROIの計算は絶対にできるようにしておくことが必要。

最近はwebマーケティング系の知識が必要な問題が増えているように感じるので(昨年はwebサイトのコンバージョン率の計算問題が出題)、そのあたりも浅くでいいので押さえておきたいです。

 

参考書籍

すぐに役立つ生産管理の基本としくみ

生産管理の基本内容がイラストや図解付きで解説されています。TACのスピテキがあれば必ずしも必要ではないですが、内容はスピテキよりも詳細な点まで書かれています。

 

マンガでやさしくわかる生産管理

「生産管理に全くイメージが湧かない」と言う人におすすめの本。マンガで書かれているためイメージは湧きやすいです。

ただ、試験対策としては内容が足りません。生産管理のイメージ作りくらいに活用するのがいいでしょう。

 

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式を体系的にまとめあげたトヨタ自動車元副社長大野耐一氏の名著。

1978年発刊の本でありながら「低成長時代における多品種少量生産」という現代にも通じる生産管理の考え方が書かれています。

ぜひ一読をおすすめしますが、内容は難しいです。生産管理の内容を一通り勉強してから読むことをおすすめします(僕は大学生の時に読んで途中から全く理解できなかった)。

 

店舗管理の方は、たくさん書籍はありますが、正直どれがいいのかわかりません。今後いいものがあれば掲載していきます。

 

参考webサイト

工程管理の知識

工程管理や生産レイアウト、IEについて体系的にまとめられたサイト。

用語が丁寧にまとめられています。

 

生産管理や店舗販売管理についてのwebサイトは多数あります。調べたい用語で検索するとコンサルタントのHPやブログで詳細に解説されていますので、テキストでわからない用語があれば参考にするのがいいでしょう。

 

まとめ

運営管理は合格率からみると今回一番難しい科目でした。

その要因は計算問題の増加と店舗販売管理の難化という分析がされています。

店舗販売管理の難化に関しては対応が難しいですが、計算問題は公式を覚えて、演習を行えば対応できるはずです。

かつては「運営管理は暗記」と言われていたようですが、最近は用語を覚えるだけでは対応できなくなっている印象です。

生産現場をイメージしながら、一つ一つの用語を対応させていくことが必要でしょう(僕もそこまでできていませんでしたが。。)。

ちなみに僕は68点でした。一昨年から計算問題が増えたので、対策をしていたのが合格点を取れた要因だと思います。

 

 この科目も重要科目なので、腰を据えて勉強しましょう!